民法を学習後に会社法を学ぶべき。会社法の全体像

会社法とは

商法・会社法を勉強する順番は民法を勉強してから、会社法を勉強を進めるのがいいでしょう。なぜかというと会社法は、民法の特別法になるからです。

 

民法と会社法がぶつかった場合は、特別法の会社法が優先的に適用されます。さきに一般法の民法を勉強しておいたほうが会社法の理解がぐっと深まります。ここでは、会社法を中心的に全体像を説明していきます。

会社形態は、株式会社と持分会社。会社法の全体像

会社法は、営利社団法人の株式会社と持分会社について定めています。持分会社とは、「合資会社」「合名会社」「合同会社」の3つ形態になります。受験生には、持分会社は馴染みがない会社組織になるのではないでしょうか。逆に株式会社はよく聞くと思います。会社法は、基本的には株式会社について重点的に書かれています。
会社の種類

私人と一緒。会社も権利主体になれるのか

株式会社も持分会社も、会社を中心とした権利の主体になれます。権利の主体になれるということは会社自体に人と同じように権利義務が生じるということになります。

 

例えば、チケットを購入してディズニーランドに入園するとき、みなさんはスタッフさん個人にお金を払っているわけではなくディズニーランドを運営している会社オリエンタルランドにお金を払っています。運営会社のオリエンタルランドが権利の主体となってお客様と契約しているのです。そして、お金を払ってくれたお客様にサービスを提供しています。

会社には、債権債務が生じる

会社自体に権利義務が生じ、取引の主体になれるということは相手方との取引で債権債務が発生することになります。

 

例えば、先ほどのディズニーランドの例でいいますとお客様との関係でオリエンタルランド側(ディズニーランド)は、お金を払わないと入場させませんという債権が発生します。そして、払ってくれたお客様に対してサービス(ディズニーランドに入園させ楽しむ)という債務を提供しなければいけなくなります。

会社法で定める社員の各種責任範囲とは

会社の種類によって、社員(会社所有者)の債務の責任範囲が変わってきます。債務の責任範囲は「有限責任」「無限責任」の2種類に分かれます。

 

なお、社員は会社の債権者に対して負う「直接責任」と出資を通じて負う「間接責任」があります。

有限責任

有限責任とは、会社の債務に対して出資している分だけ責任を負うということ。

 

例えば、私が会社に100万円の出資しており、何らかの問題で会社が1,000万円の債務を負って倒産した場合に、出資した100万円だけ戻ってこないというだけで会社の債務を負担する必要はありません。これが有限責任になります

無限責任

無限責任とは、会社の債務に対して無限に責任を負わなければならないということ。かなり厳しい責任になっています。

 

例えば、何らかの問題で会社が1,000万円の債務を負って倒産した場合に、会社の社員だったものは、会社債権者に対して全額の1,000万円を返済する義務が生じます。
会社法責任図

株式会社の仕組み

経営者が、多くの一般人から出資を受け、会社を経営して行くことが株式会社になります。株式会社は、会社に出資した人を社員(株主)と呼び、会社と取引を行う人(お客様)を会社債権者と呼び、会社を動かす人を業務執行者(経営者)と呼びます。
株式会社仕組み図
株式会社の仕組みは、社員が出資をし、業務執行者が会社債権者と取引し利益が出れば、社員に利益の配当金を渡す仕組みになっています。

株式会社の社員は、どこまでが責任範囲

株式会社は、有限責任を取っています。有限責任とは、社員は会社債権者に対して直接、責任を負わず、出資した分だけの責任しか負わないということです。

 

例えば、社員が、1,000万円の出資したとします。株式会社が倒産してしまい会社債権者に対して2,000万円の負債が残ったとしても、社員は出資した分の1,000万円が無くなりそれ以上(残り1,000万円)の責任を負わなくてよいことになります。

 

このように、会社法の規定では、株式会社は有限責任を取っています。しかし、日本にある企業の大半は業務執行者(経営者)が出資をし、株式会社を設立しているので社員と業務執行者が同一になっていることが現状です。社員と業務執行者が同一ということは、会社債権者に対して無限責任と何ら変わらない状態になります。

所有は社員。では、経営も社員が行うのか?所有と経営の分離

株式会社の所有者は、誰になるでしょうか。基本的に出資をした社員(株主)が会社の所有者になります。出資をした社員の中には、配当金を目当てで出資する者もいます。必ずしも社員が経営に携わることが、望ましいのかと言われればそうとも限りません。

 

そこで、社員は、株主総会などを開催して会社の根幹となる意思決定をし、それ以外の経営に関することは経営のプロ(業務執行者)を選任して任せることにしています。これを所有と経営の分離といいます。

株式会社とは違う3つの持分会社とは

つぎに、株式会社以外の持分会社を見ていきたいと思います。持分会社は、「合名会社」、「合資会社」、「合同会社」の3種類があります。

合名会社

合名会社は、家族経営などの小規模なスタイルの会社組織になります。会社の社員全員が、すべての責任を負う直接無限責任です。
合名会社

合資会社

合資会社は、有限責任の社員と無限責任の社員がいるスタイルの会社組織になります。有限責任社員も無限責任社員も直接責任です。
※直接有限責任とは、会社債権者に対して会社の出資している分だけ直接責任を負うということです。
合資会社

合同会社

合同会社は、株式会社と同じ間接有限責任のスタイルの会社組織になります。少人数のベンチャー企業などの会社形態に向いているのが合同会社になります。
合同会社

まとめ

ここまで、会社法の全体像について簡単に説明してきました。会社も権利義務が生じる、権利義務が生じるなら債権債務が発生してくるなど、民法で勉強する内容も含まれています。なので、会社法を勉強する前の下準備して民法を先に勉強をしておくことをおすすめします。

 


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